雪中キャンプ初心者ガイド|必要なもの・ペグ・寒さ対策と関東から行けるキャンプ場7選【2026-27】

雪原に張られた赤と緑のテント
記事内に広告が含まれています。

一面の雪原にテントを張って、しんと静まりかえった夜を過ごす。雪中キャンプは、冬キャンプの中でもとびきり特別な体験です。足あとひとつない朝の雪景色は、一度見ると忘れられません。

ただ、雪の上で一晩過ごすのは、普通の冬キャンプとは準備がまるで違います。ペグは刺さらない、地面からの冷えは強烈、夜のうちにテントに雪が積もる……。

この記事では、雪中キャンプを初めてやる人に向けて、キャンプ場の選び方、必要な装備、安全の注意点をまとめ、関東から行ける雪中キャンプ場を7か所紹介します。

先に結論:初めての雪中キャンプは、除雪や電源があり、レンタルが充実したキャンプ場を選ぶのが近道です。装備はスコップ、雪用のペグやアンカー、重ねて断熱するマット、冬用の寝袋、一酸化炭素警報器が基本。テントの中で火を使う暖房をつけたまま寝ない、テントに積もった雪は下ろす、車は冬用タイヤで行く——この3つは必ず守りましょう。

雪中キャンプと普通の冬キャンプの違い

冬キャンプと雪中キャンプの違いは、ひと言でいえば「足元が雪かどうか」です。それだけで、準備することがいくつも増えます。

普通の冬キャンプ雪中キャンプ
地面土や芝生。普通のペグが使える雪。普通のペグは効きにくい
寒さ冷え込むが地面は凍っている程度雪からの冷えが強く、マットの断熱が重要
設営いつも通り雪を踏み固めてから張る。除雪も必要
荷物車をサイトに横付けできる所も多い車が入れず、ソリで運ぶキャンプ場が多い
夜寒さ対策が中心テントに積もる雪や、暖房の扱いに注意

雪のない冬キャンプがまだなら、先にそちらで寒さに慣れておくのがおすすめです。寒さ対策の基本は冬キャンプの寒さ対策、冬キャンプならではの危険は冬キャンプの危険と対策にまとめています。

初心者はキャンプ場選びで8割決まる

雪中キャンプは、どのキャンプ場を選ぶかで難しさがまったく変わります。初めてなら、次の条件がそろっている所を選ぶと安心です。

チェックすること初心者にうれしい条件
除雪サイトや道を除雪・圧雪してくれる
電源電源サイトがあり、電気毛布などが使える
レンタルストーブ、寝具、スコップなどを借りられる
車サイトの近くまで車で行ける
スタッフ困ったときに相談できる

逆に、雪を固めていない(非圧雪の)サイトや、駐車場から荷物をソリで運ぶキャンプ場は、雪に慣れた人向けです。中には「グループに冬キャンプの経験者がいること」を勧めている施設もあります。

いきなりそうした場所に行くより、まずは設備の整ったキャンプ場で1泊してみましょう。電源サイトでどんな家電が使えるかは電源サイトとはで紹介しています。

関東から行ける雪中キャンプ場7選

群馬・新潟・長野から、雪の上でキャンプができる施設を7か所選びました。各施設の公式情報(2026年11月時点)をもとにしていますが、営業期間や料金は年によって変わるので、予約の前に必ず公式サイトで確認してください。

キャンプ場冬の営業おすすめ度
北軽井沢スウィートグラス(群馬)2026年12月4日〜2027年4月4日初心者向け
スノーピーク HEADQUARTERS(新潟)通年(水曜定休)初心者向け
ラボランドくろひめ(長野)12月下旬〜4月上旬(火水休)中級者向け
越後妻有 松之山温泉スノーパーク(新潟)2026年11月14日〜2027年4月11日中級者向け
ちばむらオートキャンパーズリゾート(群馬)12月中旬〜3月下旬(週末のみ)経験者向け
雪原学舎(新潟)2026年12月18日〜2027年3月30日経験者向け
川口運動公園 雪中キャンプ(新潟)2025-26年は1月10日〜3月末経験者向け

「おすすめ度」は、除雪・電源・レンタルの充実度や、施設側の案内をもとにこの記事で分けたものです。

北軽井沢スウィートグラス(群馬県長野原町)

初めての雪中キャンプにいちばん勧めやすいのがここです。標高1,100mの浅間高原にあり、冬は「ホワイトスタイル」期間として営業。雪が降ると一面の雪原になり、ペイローダーで除雪・圧雪してくれます。冬のテントサイトには電源付きのサイトもあります。

冬のテントサイトの料金は、電源付きのサイトが5,600円から、電源のない林間ソロサイトは3,000円から。

レンタルがとても充実していて、薪ストーブ(時計型2,200円など)、石油ファンヒーター(1,650円)、電気毛布(880円)、こたつ(1,650円)まで借りられます。雪かき用のシャベルは無料です。

テントや寝具をまるごと借りられる「ウィンターキャンプセット」(4名25,000円・2名20,000円、1泊)もあり、設営が不安ならスタッフに聞けると案内されています。なお、例年11〜4月ごろは積雪や凍結があるので、冬タイヤとチェーンの準備は必須です。

スノーピーク HEADQUARTERS(新潟県三条市)

スノーピークの本社に併設されたキャンプフィールドで、通年営業しています。積雪期間に使えるのはAサイトとストア前広場だけですが、電源区画(1500Wまで)があり、料金は大人1,650円、電源区画は3,300円です。

ただし、除雪とテントの天井の雪かきは利用者が自分でやるルールです。暖房を使うなら火災と一酸化炭素中毒の対策を必ず用意し、寝る前には必ず消火すること、装備が足りないとスタッフが判断すれば利用を断ることがある、とも案内されています。

ラボランドくろひめ(長野県信濃町)

冬も営業していて、12月下旬から4月上旬が「ホワイトシーズン」。林の中のテントサイトは雪を固めておらず、駐車場から200〜300mほど、借りられるソリで荷物を運びます。

1日に50〜60cm以上積もる日もあるそうで、本格的な雪の中でのキャンプになります。料金は大人2,530円です。

越後妻有 松之山温泉スノーパーク(新潟県十日町市)

スキー場のゲレンデの中にあるフリーサイトで、雪が積もると雪上キャンプの営業に切り替わります。2026-27年シーズンの料金は、大人1人1泊1,650円または2,200円。スキー場のレンタルショップでウエアやソリ、スノーシューなどを借りられます。

テントや暖房、一酸化炭素警報器は各自で用意(必須)とされていて、前日までに大雪の注意報や警報が出たらサイトをクローズするルールです。12月下旬〜2月中旬は湿った重い雪で、一晩で50〜80cm積もることもあると案内されています。

経験者向けの3か所

ちばむらオートキャンパーズリゾート(群馬県みなかみ町)は、冬は週末のみの営業。サイトは非圧雪で車は入れず、ソリで荷物を運びます。グループに冬キャンプの経験者がいることを勧めていて、火災やガス缶の爆発、一酸化炭素中毒、低体温症のリスクも明記されています。

雪原学舎(新潟県十日町市)は、閉校した小学校のグラウンドを使った雪中キャンプ専用のフリーサイト。平均積雪は2mを超え、一晩で50〜80cm積もることもあります。スノーシューやスコップは借りられますが、テントや寝袋のレンタルはありません。

川口運動公園の雪中キャンプ(新潟県長岡市)は、雪上の特設フィールドで、経験者向けとされています。2025-26年シーズンの料金は大人1,000円と手ごろで、そりやかんじき、COチェッカーを無料で貸し出していました。

17時以降は無人になります。2026-27年シーズンの情報は、まだ出ていません(2026年11月時点)。

雪中キャンプに必要なもの

普段のキャンプ道具に加えて、雪の上ならではの装備が必要です。

装備なぜ必要か
スコップ設営場所づくり、除雪、ペグを埋める穴掘りに
雪用のペグ・アンカー普通のペグは雪に効きにくい
断熱性の高いマット(重ねて使う)雪からの冷えを防ぐ
冬用の寝袋夜は氷点下になる
一酸化炭素警報器暖房を使うなら必須
冬用タイヤ・チェーン雪道を安全に走るため
ソリ車が入れないサイトで荷物を運ぶ

ペグは「埋めて固める」が基本

雪の上では、普通のペグを打っても抜けてしまいがちです。そこで使うのが、ペグやアンカーを横向きに雪に埋めて、上から雪をかぶせて固める方法です。

スノーピークは、雪面を踏み固め、ペグハンマーで溝を作って、テントのループに通したペグを溝に横向きに埋め、雪をかぶせて固める手順を紹介しています。柔らかい雪では、垂直に打つより確実だそうです。

モンベルの「スノーアンカー」のように、布でできたアンカーを使う方法もあります。穴を掘ってアンカーを入れ、張り綱にテンションがかかるまで雪をかぶせて押し固めます。

また、気温が下がると、踏み固めたペグが凍って掘り出せなくなることがあります。スノーピークは「プラスチック製では掘れないので、金属製が重宝します」としています。撤収のときに掘り出すためにも、スコップは必ず持っていきましょう。

組み立て式のスノースコップ
組み立て式のスノースコップ
楽天・Amazonで探せます

マットは重ねて断熱する

雪中キャンプでいちばん効いてくるのが、マットの断熱です。マットの断熱性能は「R値」という数字で表され、大きいほど冷えを通しにくくなります。

サーマレストは、R値は重ねると足し算できるとしていて、R値4.5のマットとR値2.0のマットを重ねたR値6.5を、寒い冬の夜に十分な例として挙げています。

重ねるときは、銀マットのようなクローズドセル(空気を含んだ発泡素材)のマットを下に敷くのがいいそうです。R値の考え方や冬のマット選びは、冬キャンプの寒さ対策でも紹介しています。

寝袋は「快適温度」で選ぶ

寝袋は、表示されている温度の見方に注意が必要です。モンベルは、「快適温度」を代謝が低く寒さに弱い人がリラックスした姿勢で寒さを感じずに眠れる温度、「使用可能温度」を代謝が高く寒さに強い人が丸まった状態で眠れる温度としています。

雪の上で眠るなら、快適温度で選ぶのが安心です。詳しくは寝袋の快適温度と限界温度の違いで解説しています。

雪中キャンプで必ず守りたい安全のルール

テントの中で火を使う暖房をつけたまま寝ない

雪中キャンプで最も怖いのが、一酸化炭素中毒です。製品評価技術基盤機構(NITE)の実験では、2ルームテントの中でたき火をすると約9分、ソロテントのフライを閉めてガソリン式のストーブを使うと約15分で、一酸化炭素の濃度が200ppmを超えました。

テントの外で使っていても、風向きによっては燃えたあとの空気がテントの中にたまることがあるそうです。

NITEは、テントの中や車内で石油ストーブなどの暖房器具やガス器具を使わないよう呼びかけています。雪でテントのすそがふさがると、換気はさらに悪くなります。

電源サイトなら電気毛布など火を使わない暖房を使い、薪ストーブや石油ストーブを使うなら、メーカーがテント内での使用を認めている組み合わせかを確かめたうえで、一酸化炭素警報器を置き、寝る前に必ず消してください。

条件は石油ストーブはテントで使える?と薪ストーブはテントで使える?にまとめています。

一酸化炭素警報器(COチェッカー)
一酸化炭素警報器(COチェッカー)
楽天・Amazonで探せます

テントに積もった雪は下ろす

夜のうちに雪が降ると、テントの上にどんどん積もっていきます。スノーピークのコラムでは、テントに積もった雪を下ろさずに寝てしまい、明け方にフレームが折れたという失敗談が紹介されています。

雪の予報がある夜は、寝る前と夜中に一度、テントの雪を下ろしましょう。重く湿った雪は、思った以上に早くテントを押しつぶします。

車の排気口を雪でふさがない

車で暖を取るときも注意が必要です。JAFのテストでは、マフラーのまわりを除雪していない車は、エンジンをかけてから16分で車内の一酸化炭素濃度が400ppmに達し、その6分後には測定器の上限の1,000ppmになりました。

窓を5cm開けていても、約40分で400ppmに達しています。

国土交通省も、排気口が雪に埋まると排気ガスが車内に逆流するおそれがあるとして、マフラーのまわりを定期的に除雪するよう呼びかけています。雪の中でエンジンをかけたまま寝るのはやめましょう。冬の車中泊の注意は車中泊が冬寒い理由と対策で詳しく書いています。

大雪の予報が出たら無理をしない

松之山温泉スノーパークのように、大雪の注意報や警報が出たらサイトを閉めるキャンプ場もあります。雪中キャンプ場への道は、スタッドレスタイヤやチェーンが欠かせません。チェーン規制がかかる区間もあるので、出かける前にチェーン規制とはも確認しておきましょう。

手ぶらで雪中キャンプを体験する方法

「いきなり雪用の道具をそろえるのはハードルが高い」という人は、レンタルで試してみるのがおすすめです。

北軽井沢スウィートグラスの「ウィンターキャンプセット」は、ロッジ型テント、焚火タープ、あったかマットセット、あったか寝具セット、テーブル、チェア、ランタン、焚火台などがセットになっています(ストーブは含まれないので、必要なら別にレンタル)。

スノーピークの「手ぶらCAMP」(一組49,500円)も、積雪の中で開催するキャンプ場があると案内されています。冬に実施するかどうかはキャンプ場によって違うので、申し込む前に確認してください。

テントで寝るのが不安なら、雪のキャンプ場のコテージに泊まって、日中だけ雪遊びや焚き火を楽しむのもひとつの方法です。冬のコテージ泊については冬はコテージ泊という選択肢を読んでみてください。

よくある質問

雪中キャンプは初心者でもできる?

できます。ただし、キャンプ場選びが大切です。除雪や電源があり、暖房や寝具を借りられるキャンプ場なら、初めてでも挑戦しやすいでしょう。非圧雪のサイトや、ソリで荷物を運ぶキャンプ場は、雪に慣れてからがおすすめです。

普通のペグは使えない?

雪が固く締まっていれば効くこともありますが、柔らかい雪では抜けやすくなります。ペグを横向きに埋めて雪で固める方法や、布製のスノーアンカーを使う方法が確実です。凍ると掘り出しにくくなるので、スコップを持っていきましょう。

テントの中でストーブを使ってもいい?

NITEは、テントの中で暖房器具やガス器具を使わないよう呼びかけています。使うとしても、メーカーがテント内での使用条件を示している組み合わせに限られ、換気、一酸化炭素警報器、寝る前の消火が欠かせません。

いちばん安全なのは、電源サイトで電気毛布など火を使わない暖房を使うことです。

寝袋は何℃対応のものが必要?

行くキャンプ場の夜の最低気温を調べて、それより低い「快適温度」の寝袋を選ぶのが目安です。たとえば標高1,000mを超える高原は、真冬の夜は氷点下になります。寝袋だけで足りないときは、ダウンウエアを着て寝たり、インナーシーツを使ったりして補えます。

子ども連れでも行ける?

行けますが、寒さに弱い子どもには無理をさせないことが大切です。まずは電源サイトやコテージのあるキャンプ場で、暖房を確保したうえで試してみましょう。ソリ遊びや雪遊びを楽しむなら、関東から日帰りの雪遊びスポットもあわせてどうぞ。

まとめ:最初は「設備の整った雪のキャンプ場」から

雪中キャンプは、準備さえすれば初心者でも楽しめます。最初の1回は、除雪や電源、レンタルのそろったキャンプ場を選んで、雪の上で過ごす感覚をつかむのがいちばんの近道です。慣れてきたら、非圧雪のサイトや、もっと雪深いキャンプ場に挑戦してみてください。

この記事の要点:①初めては除雪・電源・レンタルのあるキャンプ場から②ペグは横向きに埋めて雪で固める。スコップは必須③マットは重ねて断熱(R値は足し算できる)、寝袋は快適温度で選ぶ④テント内で火を使う暖房をつけたまま寝ない。一酸化炭素警報器を⑤テントの雪は下ろす、車の排気口は除雪、冬用タイヤとチェーンを準備。

あわせて読みたい

冬キャンプの寒さ対策|底冷え・寝袋・暖房の安全まで初心者向けに解説
冬キャンプの寒さ対策を、体温が奪われる仕組みから解説。テント・寝袋・マットの選び方、一酸化炭素中毒を防ぐ暖房の使い方、電気毛布や湯たんぽの活用まで初心者向けにまとめました。
冬キャンプは危険?命に関わる7つのリスクと対策【一酸化炭素中毒・低体温症】
冬キャンプで本当に気をつけたい7つの危険(一酸化炭素中毒・低体温症・結露・火事・積雪凍結・脱水・道具の凍結)を、なぜ危ないか・どう防ぐかとセットで解説。安全に冬キャンプを楽しむ総合ガイドです。
薪ストーブはテントで使える?メーカー公式見解と安全に使う条件【冬キャンプ】
薪ストーブはテントの中で使えるのか、ogawa・テンマクデザイン・DODなどメーカーの公式見解から整理しました。一酸化炭素中毒と火の粉のリスク、対応テント・煙突・CO警報器など安全に使う条件、寝るときの扱いまで冬キャンプ前に知っておきたい話です。
冬はコテージ泊という選択肢|バンガローとの違い・持ち物・楽しみ方
冬キャンプは寒くて無理、でも冬の自然は楽しみたい——そんな人にコテージ泊という選択肢を。コテージ・バンガロー・ロッジの設備の違い、薪ストーブ付きコテージなど冬に泊まれる実例、一棟貸しの探し方、持ち物、凍結・雪道・年末年始予約の注意点までまとめました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました