今回は千葉県の鋸山(のこぎりやま)に実際に登ってきたので、コースや見どころ、かかったお金まで、これから登る人向けにまとめておきます。
結論から言うと、鋸山は「登山のしんどさ控えめ、景色のリターン大きめ」のコスパがいい低山です。関東で登山デビューの場所を探している人には、かなり本気でおすすめできます。
鋸山ってどんな山?
| 標高 | 329.4m |
| 所在地 | 千葉県安房郡鋸南町・富津市 |
| 山系 | 房総丘陵 |
標高は329.4mと低めですが、数字だけで判断すると裏切られます。山の稜線がギザギザと鋸の刃のように切り立っていて、名前の由来もそこから。
この独特の形は、江戸時代から昭和にかけてここが「房州石」の石切場だったことの名残です。切り出された石は東京や横浜の街づくりに使われ、山には今も垂直に切り立った岩壁がそのまま残っています。
つまり鋸山は、自然の山というより「人が削った歴史ごと歩ける山」。ここが他の低山と決定的に違うところです。
見どころは3つ

地獄のぞき
鋸山といえばこれ。崖から突き出した岩の先端に立って、真下をのぞき込めるスポットです。柵はあるものの、足元の下は絶壁。天気がいい日は東京湾から富士山方面まで見渡せて、スリルと絶景を同時に味わえます。
人気スポットなので、休日は撮影待ちの列ができることも覚悟しておいてください。
日本寺と大仏
山の南斜面一帯は、725年に行基が開いたと伝わる日本寺の境内です。見どころは高さ31mの鋸山大仏。岩を彫って造られた磨崖仏としては日本最大級で、間近に立つと迫力に圧倒されます。
ほかにも岩壁に彫られた百尺観音や、山道沿いに並ぶ千五百羅漢など、「石の山」ならではの見どころが続きます。
拝観料は大人700円・子ども400円。拝観時間は9時〜16時で、最終受付は15時です(変更される場合があるので最新は公式サイトで)。
石切場跡
個人的にいちばん刺さったのがここ。高さ何十メートルもある岩壁が、定規で引いたみたいにまっすぐ切り取られていて、まるで遺跡の中を歩いているような非日常感があります。「ラピュタっぽい」とよく言われるのも納得の景観でした。
アクセス
電車の場合:JR内房線の浜金谷駅が最寄りです。駅からロープウェー山麓駅までは歩いて10分ほど。登山コースの入口も駅から歩いて行けるので、鋸山は電車登山と相性抜群です。
車の場合:館山自動車道の富津金谷ICから金谷の市街地へ降りてすぐです。ロープウェー山麓駅の駐車場は1台500円(バイクは無料)。
登り方は3通り
| 登り方 | 時間の目安 | こんな人向け |
|---|---|---|
| ロープウェー | 約4分(往復1,200円) | 観光メイン・体力を温存したい |
| 車力道コース | 片道1〜1.5時間 | 石切場の歴史を歩いて感じたい |
| 観月台コース | 片道1〜1.5時間 | 眺めを楽しみながら登りたい |
ロープウェーの営業は9時〜17時(冬期は16時まで)。毎年1月ごろに点検のための運休期間があるので、冬に行く人は事前に公式サイトを確認しておくと安心です。
迷ったら
登りは車力道コース、下りはロープウェーの組み合わせが「登山も絶景もどっちも欲しい」人にちょうどいいバランスです。片道650円で乗れます。
実際に歩いたコース(車力道→山頂→日本寺)
私は浜金谷駅からスタートして、車力道コースで登りました。序盤は民家の脇を抜けていく舗装路で、「本当にこの先に山があるのか」と不安になりますが、案内板はしっかりあるので迷いません。
車力道は、かつて切り出した石を麓へ降ろすために使われた道。苔むした石畳に、石を積んだ荷車の轍の跡が今も残っていて、ただの登山道ではなく「歴史の跡を登っている」感覚になります。足元は濡れていると滑りやすいので、雨上がりは特に注意してください。
後半は階段の急登が続いて、ここが一番しんどいところ。それでも1時間ちょっとで稜線に出て、石切場跡の岩壁と、山頂展望台からの東京湾の眺めが一気にご褒美として押し寄せます。展望台は「地球が丸く見える展望台」という名前のとおり、海と空がどこまでも広がる開放感でした。
そのあとは日本寺の北口から境内に入って(ここで拝観料700円)、地獄のぞき→百尺観音→大仏の順にめぐって下山。全部あわせて休憩込みで4〜5時間ほどの行程でした。日本寺の境内も石段だらけなので、「登山が終わってからも意外と登る」ことは覚えておいてください。
持ち物と装備
低山なので大げさな装備は不要ですが、私が持って行ったものはこんな感じです。
- 水2L(夏はこれでもギリギリ)
- タオル・帽子
- 軽食(おにぎり)
- 現金2,000円ほど(拝観料・ロープウェー用)
- 動きやすい服装+登山用リュック+滑りにくい靴
服はランニングできる程度の動きやすさがあれば十分ですが、靴だけは登山用かグリップのしっかりしたものを強くおすすめします。車力道の石畳と日本寺の石段は、普通のスニーカーだとけっこう滑ります。ローカットのハイキングシューズで十分です。
装備選び全体の考え方は、こちらの記事に詳しくまとめています。
注意しておきたいこと
行ってみて感じた注意点をいくつか。まず夏はかなり暑いです。標高が低いぶん気温も下がらないので、真夏に登るなら朝イチのスタートが正解です。次に下りの石段。段差のある下りが長く続くので、膝が不安な人はトレッキングポールがあると楽です。
時間配分にも注意。日本寺の最終受付は15時なので、午後スタートで「登山してから大仏も見る」はけっこうシビアです。地獄のぞきや大仏まで見るなら、午前中に登り始める計画にしてください。
よくある質問
登山初心者でも登れる?
登れます。コースは整備されていて道迷いの心配も少なく、片道1〜1.5時間なので体力的にも初心者向きです。きつければロープウェーに切り替えられる「逃げ道」があるのも安心材料です。
スニーカーでも大丈夫?
晴れていれば登れなくはないですが、車力道の石畳と境内の石段は滑りやすいので、グリップのいい靴が安全です。ロープウェーで往復して観光だけなら、普段のスニーカーで問題ありません。
所要時間はどれくらい?
歩いて登って日本寺までめぐるなら、休憩込みで4〜5時間が目安です。ロープウェー往復+地獄のぞき・大仏の観光だけなら2〜3時間でも回れます。
ロープウェーだけでも楽しめる?
楽しめます。山頂駅からの東京湾の眺めと地獄のぞき・大仏だけでも十分行く価値があります。ただ、石切場跡の迫力ある岩壁は歩くコースの途中にあるので、体力に余裕があればぜひ片道だけでも歩いてみてください。
まとめ
鋸山はこんな山
・電車でも車でも行きやすい、登山デビュー向きの低山
・地獄のぞき、大仏、石切場跡と「見どころの密度」が異常に高い
・きつくなったらロープウェーという保険つき
半日でしっかり「登った感」と絶景が手に入る、初心者にやさしい山でした。関東で最初の一座を探しているなら、鋸山はかなり有力な候補になると思います。
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