キャンプの一酸化炭素中毒に注意|テント内のガス・タープ下の焚き火はなぜ危険か

夜の森で内側から灯るキャンプテント
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キャンプでは毎年、テントの中でガスや炭を使って、一酸化炭素中毒の事故が起きています。「二酸化炭素?」と思われがちですが、命を奪う主犯は一酸化炭素(CO)無色・無臭で、五感ではまったく気づけないのが恐ろしいところです。

この記事では、なぜテント内やタープ下で火を使うと危険なのか、どう防ぐのかを、消防や公的機関の情報をもとにまとめました。楽しいキャンプを事故で終わらせないために、必ず知っておいてください。

先に結論:ガスバーナー・ストーブ・炭・ガソリン器具・焚き火などの火を使う道具は、テント・タープ・幕(まく)の中・車内では使わない。これが最重要です。一酸化炭素は無色無臭で、閉ざされた空間では酸欠になるより先に危険な濃度に達します。換気はあくまで補助で過信は禁物。就寝前・締め切る前は必ず火を消し、一酸化炭素警報器も備えましょう。テント内の灯りは、火を使わないLEDに。

一酸化炭素(CO)とは?なぜそんなに怖いのか

一酸化炭素(CO)は、ガス・炭・ガソリン・薪などが燃えるときに発生し、とくに酸素が足りない不完全燃焼で大量に出ます。二酸化炭素(CO2)とは別物で、無色・無臭のため、五感では気づけません。(東京消防庁

吸い込むと、COは血液中のヘモグロビンと酸素の約200〜250倍もの強さで結びつき、体に酸素を運べなくしてしまいます。これが一酸化炭素中毒です。しかも閉ざされた空間では、酸素が薄くなって苦しくなるより先に、COが危険な濃度に達することが、消防の実験でも確かめられています。

症状は、頭痛・めまい・吐き気から始まり、判断力の低下、意識障害、そして死に至ります。初期の症状は風邪や乗り物酔いに似ていて気づきにくく、しかも判断力が落ちるため、自分では「逃げなきゃ」と動けなくなるのが、一酸化炭素中毒の本当の怖さです。

キャンプで危険な使い方(事故はこうして起きる)

いちばん危険なのが、テントや幕の中で、火を使う器具を使うことです。ガスバーナー、ガス・石油ストーブ、炭(七輪・BBQコンロ)、ガソリンやガスのランタン、焚き火——これらはすべてCOを出します。

メーカーもこれを強く警告しています。イワタニやSOTO、キャプテンスタッグなどのアウトドア用ガスバーナーは、取扱説明書で「屋外専用。テント内・車内・屋内では絶対に使用しないでください。一酸化炭素中毒死や酸欠による窒息死のおそれ」と明記。NITE(製品評価技術基盤機構)や消費者庁、消防も、テント内や車内で燃焼器具・発電機・たき火を使わないようくり返し注意喚起しています。(NITE

「タープ下」「前室」「換気口を少し開けただけ」でも危険

「屋根だけのタープ下なら大丈夫」「入口を少し開けているから平気」と思うのは、非常に危険です。実際に、タープ下で炭のコンロを約2時間使い、テントの換気口を閉めて入口を少し開けただけの状態で、中にいた子ども2人が一酸化炭素中毒になった事故が報告されています。(日本小児科学会 Injury Alert

この事例では、専門家が「窓やドア、フラップを開けるだけでは一酸化炭素中毒の予防に不十分」「屋外であっても、テント内にCOが充満するリスクがある」と指摘しています。半分開いているから安全、はまったく通用しません。

車中泊の一酸化炭素リスク

車の中も密閉された空間なので、車内で火器を使うのは同じく危険です。加えて注意したいのが、エンジンをかけたままの車中泊。とくに雪でマフラー(排気口)が塞がれると、排ガスが車内に逆流します。JAFの実験では、対策なしでマフラーが雪に埋もれた状態だと、約16分でCO濃度400ppm、約22分で測定上限の1,000ppmに達しました。(JAF

車中泊での予防は、寝るときはエンジンを切るのが基本。やむを得ずかける場合も、マフラー周辺の雪をこまめに取り除いてください。

一酸化炭素中毒を疑ったときの対応

火を使っていて、頭痛・めまい・吐き気・強い眠気・だるさを感じたら、一酸化炭素中毒を疑ってください。とくにその場にいる複数人が同時に不調を訴えたら要注意です。

中毒が疑われたら、①窓や入口を開けて換気し、②火を使う器具を止め、③すぐに新鮮な空気のある屋外へ移動してください。体を冷やさないよう保温し、症状が続く・意識がもうろうとする場合は医療機関へ。緊急時は迷わず119番通報を。初期症状は風邪に似ているため、「火を使っていて具合が悪い」ときは、様子を見ずに空気の良い場所へ避難するのが鉄則です。(消費者庁の注意喚起

一酸化炭素中毒を防ぐ5つの鉄則

防ぐためのポイントは、次の5つです。とくに①は絶対に守ってください。

  1. 火を使う器具を、テント・タープ・幕の中・車内で使わない…最重要。焚き火・調理は屋外の風通しのよい場所で
  2. 屋外でも換気の悪い場所を避ける/換気は過信しない…換気はあくまで補助。「換気しているから安全」とは考えない
  3. 就寝前・締め切る前に必ず火を消す…寝ている間の事故がいちばん危険。灯りもすべて消す
  4. 一酸化炭素警報器を設置する…無色無臭のCOを早期に知らせてくれる。ただし予防の代わりにはならない
  5. テント内の灯りは、火を使わないLEDにする…炭やガス・ガソリンより、圧倒的に安全

とくに炭は、火が消えかけたときにCOが多く出やすく危険です。「炭がもったいないから」とテントや車の近く・幕内に持ち込むのは絶対にやめましょう。

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そして、テント内の灯りは火を使わないLEDランタンが安全。就寝時もそのまま使え、火を消し忘れる心配もありません。

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一酸化炭素警報器(チェッカー)について

一酸化炭素警報器は、気づけないCOをいち早く知らせてくれる、心強い備えです。ただし、あくまで「早期発見の補助」であって、予防そのものの代わりにはなりません。器具をテント内で使わないことが大前提です。

選ぶときのポイントは、日本の検査機関の基準に適合した、信頼できるメーカー品を選ぶこと。家庭用のCO警報器は国家検定の対象外なので、製品による差があります。設置する高さや位置は、製品の説明書に従ってください。電池切れにも注意し、いざというときに動く状態を保ちましょう。

よくある質問

キャンプで危険なのは二酸化炭素?一酸化炭素?

主に一酸化炭素(CO)です。二酸化炭素(CO2)とは別物で、COは無色・無臭のため気づけず、閉ざされた空間では酸欠になるより先に危険な濃度に達します。テント内でガスや炭を使う事故で命に関わるのは、このCOによる中毒です。

タープ下や前室なら焚き火・炭を使ってもいい?

いいえ、危険です。屋根だけのタープ下や、入口を少し開けた状態でも、一酸化炭素が滞留して中毒事故が実際に起きています。窓やフラップを開けるだけでは予防に不十分とされており、焚き火や炭・調理は、屋外の風通しのよい開けた場所で行ってください。

換気していればテント内でストーブを使える?

おすすめできません。メーカー自身が屋外専用・テント内使用禁止と明記しており、換気だけでは中毒を防ぎきれないためです。「換気しているから安全」と過信せず、暖房や調理はテント・幕の外で使うのが基本です。

一酸化炭素警報器があれば安心?

早期発見の助けにはなりますが、それだけで安心はできません。警報器は予防の代わりにはならず、あくまで最後の砦です。まずは「火を使う器具をテント内・車内で使わない」ことが大前提。そのうえで、警報器を備えとして設置しましょう。

中毒かもしれない症状が出たらどうする?

まず換気し、器具を止め、すぐに新鮮な空気のある屋外へ移動してください。頭痛・めまい・吐き気・強い眠気が、複数人に同時に出たら要注意です。保温して様子を見て、症状が続くなら医療機関へ。緊急時は迷わず119番通報を。

まとめ

一酸化炭素中毒を防ぐポイント
・火を使う器具はテント・タープ・幕内・車内で使わない(最重要)
・COは無色無臭。閉鎖空間では酸欠より先に致死域に達する
・タープ下・前室・半開放でも滞留して危険
・就寝前・締め切る前は必ず消火、換気は過信しない
・一酸化炭素警報器を備え、灯りはLEDに

一酸化炭素中毒は、「知っていれば防げる」事故です。無色無臭で気づけないからこそ、ルールを守ることがすべて。火を使う器具は幕の外で、就寝時は火を消し、警報器を備える。この基本を徹底して、安全にキャンプの夜を楽しんでください。

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