冬キャンプは、空気が澄んで星空が美しく見えたり、焚き火や鍋料理が一段と楽しめたり、夏とは違った魅力があります。
しかし、冬キャンプの最大の敵はやはり寒さです。
寒さ対策をしっかりと行わないと、体調を崩したり、凍傷や低体温症になったりする危険があります。
また、寒さで快適さや楽しさが損なわれてしまっては、せっかくのキャンプを100%楽しめません。
そこで、この記事では、冬キャンプで快適に過ごすための寒さ対策とおすすめの防寒グッズを紹介します。
防寒対策の基本的な考え方や、キャンプ場の選び方、テントや寝袋などのキャンプギア、防寒着や小物などの防寒グッズの種類と選び方をまとめています。
冬キャンプに挑戦したい方や、冬キャンプをもっと快適に楽しみたい方の参考になれば幸いです。
冬キャンプ時の防寒対策の基本
防寒対策の三原則(防風・保温・発熱)
冬キャンプの防寒対策は、大きく分けて以下の三つの原則に基づいて行います。
- 防風:風によって体温が奪われるのを防ぐ
- 保温:体から発する熱を逃がさないようにする
- 発熱:体内や外部から熱を発生させる
これらの原則を念頭に置いて、キャンプ場の選び方やキャンプギア、防寒着、防寒グッズなどを選んでいきましょう。
防寒対策に関するよくある誤解や間違い
冬キャンプの防寒対策に関して、よくある誤解や間違いを以下に挙げます。
厚着をすると暖かい
厚着をしすぎると汗をかいてしまい、湿った服が体温を奪ってしまいます。
また、厚着をすると血行が悪くなり、体の末端が冷えやすくなります。
適度な厚さの防寒着を着て、重ね着をするのがおすすめです。
アルコールを飲むと暖かくなる
アルコールを飲むと一時的に体が温まるように感じるが、実際には血管が拡張して熱が逃げやすくなります。
また、アルコールは利尿作用があるので、水分や熱を失ってしまいます。
適度に飲むのは構わないが、飲みすぎには注意しましょう。
寝袋に入ると暖かい
寝袋は自分の体温で暖めるものなので、寝袋に入るだけでは暖かくなりません。
寝袋に入る前に体を温めることが大切です。
また、寝袋の下にマットやウレタンフォームなどを敷いて、地面からの冷気を遮断することも非常に重要です。
冬キャンプに必要な防寒グッズの種類と選び方
冬キャンプに必要な防寒グッズは、大きく分けて以下の五つの種類に分類できます。
- テント:風や雨雪から身を守るシェルター
- 寝 袋:就寝時に体温を保つ寝具
- マット:地面からの冷気を遮断する下敷き
- ウェア:着用することで体温を保つ衣服
- 小 物:手足や首などの部分的な防寒や、暖房器具など
それぞれの種類について、選び方のポイントと注意点を説明します。
テント
テントは、冬キャンプの防寒対策において最も重要なアイテムです。
テントは、風や雨雪から身を守るだけでなく、テント内の空気を温めることで保温効果も期待できます。
しかし、テントによっては、冬キャンプに適していないものもあります。
冬キャンプにおすすめのテントの特徴は以下の通りです。
- 耐風性:
強風に耐えられるように、頑丈なフレームやペグ、ロープなどが必要。
また、テントの形状も風の抵抗が少ないものが望ましい。
- 耐雪性:
積もった雪の重さに耐えられるように、傾斜のある屋根や強固なポールなどが必要。
また、雪を弾くような撥水性の高い素材も重要。
- 断熱性:
テント内の空気を温めるために、二重構造のダブルウォールや、内張りのあるインナーテントなどが必要。
また、メッシュ部分が少ないほど断熱性が高くなる。
- 通気性:
テント内の結露を防ぐために、ベンチレーションやファスナーなどで空気の流れを作ることができるものが必要。
また、結露を吸収するような素材も有効。
おすすめテント例
冬キャンプにおすすめのテントの例として、以下のようなものがあります。
Snow Peak タープ TP-820S ランドステーションL
Snow Peakの人気タープで、耐風性や耐雪性に優れています。
大型で広々とした空間を作ることができます。
インナーテントやフライシートなどのオプションも豊富にあります。
NORDISK(ノルディスク) アウトドア キャンプ テント アルヘイム
ティピー型のシングルポール設計で、広々とした空間と高い耐風性を兼ね備えています。
また、ポリエステルとコットンの混紡素材で、防水性と通気性が高く、快適な室内環境を保ちます。
寝袋
寝袋は、就寝時に体温を保つために必要な寝具です。
寝袋には、温度や形状、素材などによってさまざまな種類がありますが、冬キャンプにおすすめの寝袋の特徴は以下の通りです。
- 温度:
寝袋には、快適に眠れる温度帯を示すコンフォート温度や、限界的に耐えられる温度帯を示すリミット温度などが表示されています。
冬キャンプには、コンフォート温度が0℃以下、リミット温度が-10℃以下の寝袋がおすすめです。
また、自分の体質や着用する防寒着によっても寝袋の温度感は変わるので、余裕を持って選ぶことが大切です。
- 形状:
寝袋には、体にぴったりとフィットするマミー型や、足元に余裕があるバレル型、開閉できるブランケット型などがあります。
冬キャンプには、マミー型がおすすめです。
マミー型は、体に沿った形状で空気の流れを抑えることで、保温効果が高くなります。
また、頭部を覆うフードや、首元を締めるドローコードなども、寒さから身を守るのに役立ちます。
- 素材:
寝袋の素材には、羽毛や化学繊維などがあります。
羽毛は、軽くて保温性が高く、圧縮性も良いので、冬キャンプに適しています。
しかし、羽毛は、湿気に弱く、乾きにくいという欠点があります。
化学繊維は、重くて保温性が低く、圧縮性も悪いので、冬キャンプには不向きです。
しかし、化学繊維は、湿気に強く、乾きやすいという利点があります。
寝袋の素材は、自分の好みやキャンプ場の環境によって選ぶことができます。
おすすめ寝袋例
冬キャンプにおすすめの寝袋の例として、以下のようなものがあります。
mont-bell ダウンハガー800
mont-bellのダウンハガー800は、高品質な800フィルパワーのダウンを使用した寝袋です。
マミー型で、コンフォート温度が-3℃、リミット温度が-9℃と、冬キャンプに十分な温度帯をカバーしています。
また、体の動きに合わせて伸縮するスパイラルストレッチシステムを採用しており、快適な睡眠をサポートします。
THE NORTH FACE ゴールドカズー
THE NORTH FACEのゴールドカズーは、650フィルパワーのダウンを使用した寝袋です。
マミー型で、コンフォート温度が-7℃、リミット温度が-13℃と、厳冬期のキャンプにも対応できる温度帯を持っています。
また、耐水性や透湿性に優れたドライダウンを採用しており、湿気に強いです。
マット
マットは、地面からの冷気を遮断するために必要な下敷きです。
マットには、空気を入れるエアマットや、発泡スチロールのような素材でできたフォームマットなどがあります。
冬キャンプにおすすめのマットの特徴は以下の通りです。
- 断熱性:
マットの断熱性は、R値という数値で表されます。
R値が高いほど、断熱性が高いということです。
冬キャンプには、R値が3以上のマットがおすすめです。
また、マットの厚さや素材によっても、断熱性は変わります。
一般的に、エアマットは薄くて断熱性が低く、フォームマットは厚くて断熱性が高いです。
- 耐久性:
マットの耐久性は、地面の凹凸や鋭利なものによって傷ついたり、穴があいたりすることを防ぐ能力です。
エアマットは、空気を入れることで柔らかく快適になりますが、穴があいたり、バルブが壊れたりすると使えなくなります。
フォームマットは、空気を入れる必要がなく、丈夫で簡単に使えますが、かさばって持ち運びに不便です。
マットの耐久性は、自分の使用頻度やキャンプ場の状況によって選ぶことができます。
おすすめマット例
冬キャンプにおすすめのマットの例として、以下のようなものがあります。
Therm-a-Rest ネオエアーXサーモ
Therm-a-RestのネオエアーXサーモは、エアマットの中でも最高レベルの断熱性を誇るマットです。
R値が5.7と非常に高く、厳冬期のキャンプにも対応できます。
また、軽量でコンパクトに収納できるのも魅力です。
NEMO スイッチバック
NEMOのスイッチバックは、フォームマットの中でも最高レベルの快適性を誇るマットです。
凹凸のあるデザインで、体にフィットするとともに、空気の層を作って断熱性を高めます。
R値は2とやや低いですが、他のマットと重ねることで寒さ対策ができます。
また、折りたたんでコンパクトに収納できるのも便利です。
ウェア
ウェアは、着用することで体温を保つために必要な衣服です。
ウェアには、インナー、ミドル、アウターの三層構造で着るのが基本です。
それぞれの層におすすめのウェアの特徴は以下の通りです。
また、冬キャンプの服装については以下の記事で詳しく紹介していますので、ご覧ください。
インナーウェア
インナーは、肌に直接触れる最も内側の層です。
インナーの役割は、汗を素早く吸収して発散することで、肌を常にドライに保つことです。
インナーには、速乾性や通気性に優れた素材のものがおすすめです。
例えば、ポリエステルやポリプロピレンなどの化学繊維や、メリノウールやシルクなどの天然繊維があります。
綿やアクリルなどの素材は、湿気をためやすく、冷えやすいので、避けましょう。
おすすめインナーウェア例
インナーの例として、以下のようなものがあります。
UNIQLO ヒートテック
UNIQLOのヒートテックは、日本で最も有名なインナーウェアの一つです。
独自の繊維技術で、体から発する水分や熱を利用して、保温性や吸湿発熱性を高めています。
また、薄くて軽く、ストレッチ性も高いので、着心地も良いです。
Icebreaker インナー
Icebreakerのインナーは、ニュージーランド産の高品質なメリノウールを使用したインナーウェアです。
メリノウールは、保温性や吸湿発熱性だけでなく、防臭性や肌触りも優れています。
また、自然素材なので、環境にも優しいです。
ミドルウェア
ミドルは、インナーの上に着る中間の層です。
ミドルの役割は、インナーから発散された水分を吸収して外に逃がすことと、体から発する熱を逃がさないことです。
ミドルには、保温性と通気性のバランスが良い素材のものがおすすめです。
例えば、フリースやダウン、ウールなどの素材があります。
ミドルは、重ね着をすることで、気温や体温に合わせて調節できるようにしましょう。
おすすめミドルウェア例
ミドルの例として、以下のようなものがあります。
Patagonia レトロパイルフリースジャケット
Patagoniaのレトロパイルフリースジャケットは、1970年代に登場したクラシックなフリースジャケットです。
厚手でふわふわのポリエステル素材で、保温性と通気性が高く、肌触りも良いです。
また、リサイクル素材を使用しており、環境にも配慮しています。
mont-bell ダウンライトジャケット
mont-bellのダウンライトジャケットは、軽量でコンパクトなダウンジャケットです。
800フィルパワーのダウンを使用しており、保温性が高く、圧縮性も良いです。
また、撥水加工や防風加工も施されており、悪天候にも対応できます。
アウターウェア
アウターは、ミドルの上に着る最も外側の層です。
アウターの役割は、風や雨雪から身を守ることです。
アウターには、防水性や防風性に優れた素材のものがおすすめです。
例えば、ゴアテックスやパーテックスなどの素材があります。
アウターは、動きやすさや着脱しやすさも重視しましょう。
おすすめアウターウェア例
アウターの例として、以下のようなものがあります。
ARC’TERYX ベータARジャケット
ARC’TERYXのベータARジャケットは、高性能なゴアテックス素材を使用したアウタージャケットです。
防水性や防風性だけでなく、耐久性や通気性も高く、様々なアウトドアシーンに対応できます。
また、立体的なカッティングや軽量なデザインも魅力です。
THE NORTH FACE マウンテンジャケット
THE NORTH FACEのマウンテンジャケットは、1985年に登場した伝説的なアウタージャケットです。
パーテックス素材を使用しており、防水性や防風性が高く、耐久性も抜群です。
また、レトロなデザインやカラーリングも人気です。
小物
小物は、手足や首などの部分的な防寒や、暖房器具などの防寒グッズです。
手袋や靴下、マフラーなどで指先の冷えなど風があたる部分をカバーしていきましょう。
また、暖房器具は、テント内やキャンプ場で熱を発生させることで、寒さを和らげるために必要な防寒グッズです。
暖房器具には、燃料や電気を使うものや、発熱剤やカイロを使うものなどがあります。
暖房器具は、自分のニーズやキャンプ場の許可に合わせて選びましょう。
ガスを使用する暖房器具の使用については一酸化炭素中毒による事故が多発しています。
十分に気をつけて対策をするようにしてください。
おすすめ小物例
おすすめの小物の例として、以下のようなものがあります。
Zippo ハンディウォーマー
Zippoのハンディウォーマーは、ライターのように点火して使う暖房器具です。
ガソリンを燃料として使用し、最大12時間の発熱が可能です。
また、コンパクトで持ち運びやすく、手のひらに収まるサイズです。
UNIFLAME(ユニフレーム) コンパクトPOWERヒーター
ユニフレームのテントヒーターは、カセットボンベを燃料として使用する暖房器具です。
最大3時間の発熱が可能で、温度や風量の調節もできます。
また、安全装置や消火機能も備えており、テント内での使用も安心です。
まとめ
冬キャンプで快適に過ごすためには、防寒対策が欠かせません。
防寒対策には、防風・保温・発熱の三原則を守ることが大切です。
また、キャンプ場の選び方やキャンプギア、防寒着、防寒グッズなどを、自分の体質や好み、キャンプ場の環境に合わせて選ぶことも重要です。
この記事では、冬キャンプにおすすめの寒さ対策と防寒グッズを紹介しました。
冬キャンプに挑戦したい方や、冬キャンプをもっと快適に楽しみたい方の参考になれば幸いです。
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