防災グッズを揃えなきゃと思いながら、何年も先送りにしていないでしょうか。実は、キャンプをやっている人には朗報があります。キャンプ道具は、そのまま防災装備になります。
テントで寝て、バーナーで調理して、ランタンで夜を過ごす——キャンプでやっていることは、ライフラインが止まった生活そのものだからです。
つまりキャンパーは、防災の半分がすでに終わっています。この記事では、手持ちのキャンプ道具が災害時にどう働くかと、キャンプ道具だけではカバーできない「残り半分」を何で埋めるかを整理します。
キャンプ道具はそのまま防災装備になる
停電・断水した家は、言ってしまえば「屋根のあるキャンプ場」です。災害時に困ることと、それに対応するキャンプ道具を並べてみます。
| 災害時の困りごと | 使えるキャンプ道具 | ひとこと |
|---|---|---|
| 夜の明かり | ランタン・ヘッドライト | 両手が空くヘッドライトは特に優秀 |
| 調理・お湯 | バーナー・クッカー | CB缶は普段の買い置きがそのまま備蓄に |
| 寝る場所 | テント・寝袋・マット | 避難所でも車中泊でも寝床の質を確保 |
| スマホの電池 | ポータブル電源・モバイルバッテリー | 情報源の生命線 |
| 食材の保存 | クーラーボックス | 停電した冷蔵庫の中身の避難先 |
| 雨風・寒さ | レインウェア・タープ・防寒着 | 屋外での移動と作業を支える |
最近の防災の世界には「フェーズフリー」という考え方があります。日常と非常時の垣根をなくして、普段使っているものがそのまま備えになる状態を作ろう、というものです。キャンプという趣味は、まさにこれを地で行っています。
道具を防湿・整理して保管しておくだけで、あなたの押し入れは立派な防災倉庫です。
キャンプ道具だけでは足りないもの
ただし、キャンプ道具でカバーできない領域がはっきりあります。ここが「残り半分」です。
まず水。農林水産省の家庭備蓄の目安では、飲料・調理用として1人1日3リットル、最低3日分とされています。大規模災害を想定すると1週間分が望ましいとも言われるので、4人家族なら3日分でも36リットル。キャンプ用のウォータータンクだけでは全然足りない量です。
次に非常食。キャンプ飯の食材は生鮮品なので備蓄になりません。長期保存できる食料が別途必要です。そしてトイレ。断水すると水洗トイレは使えなくなり、これが被災生活で一番つらい問題になります。
ほかに救急・衛生用品と、停電時の情報源(ラジオ)。この5つがキャンプ道具の穴です。
非常食は「キャンプでも食べられる」ものを選ぶ
安心米(アルファー食品)
非常食選びで私が一番大事だと思うのは、「非常時にしか食べないものを買わない」ことです。しまい込んだ非常食は、賞味期限切れで捨てることになりがちだからです。
その点、アルファー食品の安心米のようなアルファ米は、お湯や水を注ぐだけでごはんになる保存食で、登山やキャンプの食事としてそのまま使えます。
普段のキャンプで食べて、食べた分を買い足す——いわゆるローリングストックが自然に回るので、キャンパーの非常食としては一番理にかなった選択です。
トイレ問題は「普段も使えるもの」で備える
スツーレ(5-in-1ポータブルトイレ)
災害時のトイレは、水や食料より先に困る問題と言われます。ここで面白いのがスツーレ。防災グッズ大賞を2024・2025年と2年連続で受賞している簡易トイレで、コンセプトがまさにフェーズフリーです。
普段は椅子・スツール・収納ボックスとして使えて、非常時にはフタを開けて簡易トイレになるという設計。つまりキャンプでは腰掛けと道具入れとして働き、災害時にはトイレとして働きます。
付属の凝固剤は約15年保存に対応しているので、買い替えの管理もほぼ不要。「防災専用品を買いたくない」というキャンパーの感覚に一番合う備えだと思います。
残りを一式まとめるなら「監修済みの防災セット」
救急・衛生用品やラジオライトなどの細かいものは、個別に買い集めるとどうしても漏れが出ます。ここは専門家が中身を選んだセットで一気に埋めるのが早くて確実です。定番を2つ紹介します。
Defend Future 防災士厳選39点セット
防災士が中身を選んだ39点入りのリュック型セット。5年保存水やアルファ米、温めずに食べられるカレーといった食料に加えて、避難生活の基本装備が22リットルの撥水リュックにまとまっています。
持ち手が暗闇で光る仕様など、細部が「実際の停電の夜」を想定して作られているのが好印象です。65ページの防災ガイドPDFが付くので、届いた日に家族で備えの確認までできます。
あかまる防災 44点セット
こちらは防災士と消防士のダブル監修。救助が届きにくいとされる発災後72時間を自力で過ごすことを想定した44点構成で、7年保存の水と保存米、携帯浄水器、多機能ラジオライト、簡易トイレまで入っています。
キャンプ道具で足りない「水・衛生・情報」の穴を、これひとつでまとめて塞げる内容です。かばんには10年の交換保証が付きます。
電気の備えはポータブル電源で
そして停電対策の主役がポータブル電源です。スマホの充電、照明、情報源の確保まで、電気まわりの不安はこれ1台でほぼ解決します。キャンプでの使い方も含めて、容量の選び方は別記事で詳しくまとめています。
よくある質問
キャンプ道具があれば防災セットは要らない?
半分は正解です。明かり・調理・寝床・電気はキャンプ道具で十分カバーできます。ただ、水・長期保存食・トイレ・救急衛生・ラジオはキャンプ道具に含まれないので、そこだけはセットや専用品で埋める必要があります。
備蓄はどれくらい必要?
農林水産省の目安で、水は1人1日3リットル×最低3日分。食料も同じく最低3日分です。大規模災害では物流の回復に時間がかかるため、可能なら1週間分が望ましいとされています。まず3日分から始めて、少しずつ積み増すのが現実的です。
非常食の賞味期限管理が苦手です
「食べながら備える」ローリングストックに切り替えるのがおすすめです。アルファ米のようにキャンプや登山で普段から食べられる保存食なら、遊びのたびに在庫が回転するので、期限切れの山を作らずに済みます。
防災グッズは車に積みっぱなしでもいい?
出先での被災に備えて車に一式置くのは有効です。ただし夏の車内は高温になるので、食料・水・電池類は劣化しやすい点に注意。ポータブル電源やモバイルバッテリーの真夏の車内放置は避けてください。
まとめ
キャンパーの防災はこれで完成
・明かり・調理・寝床・保冷はキャンプ道具がそのまま使える
・水は1人1日3L×最低3日分を別途備蓄
・非常食はキャンプでも食べられるアルファ米でローリングストック
・トイレ・救急衛生・ラジオは専用品やセットで補完
防災は「全部そろえるまでやらない」より、「あるもので8割、足りない2割を今週埋める」のほうが確実に進みます。キャンプ道具という強力な資産があるのだから、残りの穴だけさっと塞いで、あとはいつも通り遊びに行きましょう。それが一番の備えです。
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